昨年のM-1グランプリで見事最年少優勝を果たした令和ロマンや、YouTubeの人気が非常に高く、テレビでも人気を集めているラランドを筆頭に、最近注目を集めている若手芸人の多くにはある共通点が存在する。それは「大学お笑い」出身であることだ。
大学お笑いとは、大学のサークル活動としてお笑いに取り組むことである。指導がメインの養成所に対し、仲間同士で和気あいあいとネタ見せやアドバイスを行うことができるという強みがある。そんなお笑いサークルがついに今年1月、芝浦でも設立された。芝浦工業大学お笑いサークル「芝浦興業」である。設立して間もないが、所属人数は90人と大規模なサークルである。今回我々は芝浦興業の方々に設立までの経緯や活動内容、お笑いとの向き合い方についてお話を伺った。
設立のきっかけ
白勢:NOROSHIに出たかったからです。
諸野:のろしうまいよね、大宮にもあるし。
白勢:いやラーメン屋の狼煙じゃないです(笑)NOROSHIというお笑いサークル対抗の大会があってそれに出てみたいと思ったのですが、どうせ出るなら芝浦の名前で出たいと思いました。元々サークル運営に興味を持っていたこともあり、お笑いサークルを立ち上げることにしました。12月に立ち上げたのですが、その2か月前の芝浦祭で諸野さんがS-1グランプリで大ウケしていたのを見て、学生お笑いでこんなに笑いを起こせるのかと衝撃を受けたのを覚えています。もしかするとそれもきっかけの一つになっていたかもしれません。
ネタ作りと披露
白勢:僕はボケから作ることが多いですね。思いついたボケをスマホのメモに記入しています。そのボケをネタに組み込めるように作っていく感じです。
諸野:ネタ帳を作るのってすごくいいんですよ。普段だったら日常にある面白いを素通りしてしまいがちなんですが、ネタ帳を作るとそれらを見直すようになるんですよね。僕はフォーマットから作ることも多いです。最近だとミルクボーイのような否定、肯定の掛け合いをするネタを作れないかと考えています。
白勢:僕は先日、芝浦興業のメンバーとキングオブコントの予選に出場して、お気に入りのネタで挑んだのですが大滑りでした。本当に2ふふくらいしか笑いが起きなくて。でもこれをきっかけに火が付いたというか、もっとネタ作りを頑張ろうと思いました。今年のM-1グランプリ予選にも出たいと思います。
アピールポイント
諸野:芝浦興業に入るとお笑い好きな友達が沢山出来ます。面白い、ぶっ飛んだ友達ができたり、一緒にM-1グランプリなどのお笑い賞レース鑑賞ができたり、日常のワンアクセントになります。
白勢:たしかに面白に敏感な人が多いですね。例えば会話の中でふとボケても何とかしてくれる人が多いです。会話の中でボケとツッコミが成立するのでとても楽しいですよ。
取材を終えて
私(古野)自身かなりのお笑い好きなこともあり、「大学お笑い」の勢力が拡大している今、芝浦興業が設立されたことに興味深く思っていました。そのため、今回お話を伺うことができて非常に楽しかったです。実は取材系の記事を作成するのは初めてだったのですが、お二人ともボケ多めで面白くお話をしてくださったため、暖かい空気で取材をすることができました。同じ年代、同じ大学の方がお笑いという答えがなく、抽象的なものに向き合い、努力する姿に終始感心させられっぱなしでした。ぜひとも芝浦興業から売れっ子芸人が輩出されて欲しいものです。今後ともご活躍を応援しています。
芝浦興業とは?
2023年12月に設立し、2024年1月に公認サークルとなった芝浦工業大学初の公認お笑いサークル。豊洲でも大宮でも活動できるサークルをコンセプトとしている。部員数は90人。学部1年生から修士2年まで幅広く所属している。そのうち演者、裏方に分かれて活動を行う。
活動内容
活動は大宮、豊洲でそれぞれ月1回。部内でネタ見せを行い、メンバー内で評価を行う。学内でお笑いライブを行うこともある。演者はネタの作成、披露、裏方はサークル運営や活動場所の確保、ライブ時の演出などを担っている。